砂町銀座。
アーチに大きくそう書かれている。文字の上部にはめ込まれた時計の針は二時を指す。
二本の柱のわきには車両進入禁止の交通標識。赤丸に白い横棒のあれだ。その下から黒文字で、自転車を除く、とある。
2019年本屋大賞第2位、小野寺史宜『ひと』の冒頭です。
大注目を集めている今作品の舞台は「砂町銀座」!
徒歩圏内に電車駅はなく、地元の人でなければ車かもしくはバスで訪れるという、お世辞にもアクセスがいいとは言えない商店街ですが、いつも大勢の人で賑わっている大人気スポットです!
大好きな小説の巡礼兼ねて訪ねてみたのですが、その魅力にくらくらしてしまったのでレポートします!
Contents
砂町銀座とは?(アクセス情報含む)
東京都江東区の北砂にある砂町銀座商店街です。
電車の最寄り駅は錦糸町駅、亀戸駅、東陽町駅、西大島駅。各駅からバスで5分から15分ほど乗り継いで「北砂2丁目」バス停下車すぐの場所です。
(秋葉原駅から20分ほどバスに乗り「南砂一丁目」バス停で降りて3,4分歩くという手もあります)
車でお越しになればこの地域、コインパーキングは多くあるので空車のパーキングは見つけることができます。駐車料金の相場は半日から1日の最大料金が1500~2000円くらいが主です。
アクセスがさほどいいわけはありませんがいつも賑わっています。
それはなんといっても、
グルメ!
です。
美味しい揚げ物ややきとり、スイーツが詰まった人気の商店街なのです!
下町の情緒溢れる風景を楽しみながら、なんと、
一人1000円ほどの予算で
お腹一杯美味に酔いしれることができます。
商店街で働く人たちは活気があって明るく親切な方ばかり。
テレビやドラマで紹介されたお店もいくつもある魅力が溢れ出ています。
その中の魅力の一部をおすすめグルメと合わせて紹介します!
おすすめ店舗紹介
中華料理「永昌園」の極大シャーピン
美味しそうなお店が並んでいますがお腹の容量的に全てを食べきれるわけではありません。
まず一通りどんなお店があるのか確認してみようと商店街を歩いていると、香ばしい香りを漂わせている中華料理屋さんに惹きつけられました。
店頭屋台で大きなシャーピンを焼いている香りです。
シャーピンとは?
中国で朝食や小腹が空いた時のおやつとして食べられている食べ物。
熱々焼きたてで、何もつけずにそのまま食べても広がる美味しさ!
餃子とお好み焼きの中間くらいの位置の味というのでしょうか、肉まんとも言えるか、私にとっては初めての経験でした。
かりかりした生地を頬張るとキャベツやニラなどの野菜とほのかににんにくとショウガの香りが口の中で広がります。
中央部分に食べ進めるほど味わいが広がって思わず「うまっ」と言葉がこぼれてしまうような味でした。
人気のやきとり店「おか田」
ずらっと並んだ焼き鳥とポップの迫力に引き寄せられて入りました。
3本頼むと少し割引という言葉に釣られて3本「かわ」「ねぎま」「つくね」を頂きました。
店頭の隅にイートイン用の長机があってそこに串も捨てられるから親切ですね。お酒も販売しているらしく、まだまだ歩くので控えましたがここで焼き鳥とお酒を飲んだら幸せだろうなぁと想像しました。
ずらっと並んだ焼き鳥を気軽に美味しく、商店街での食事を楽しめるスペースはその日のテンションを上げてくれますね!
手作りシューマイの店「さかい」
『ひと』を読んだ方なら揚げ物を食べたくなるはず!
美味しそうな揚げ物屋さんはたくさんあります。
今回は「マグロメンチ」に惹かれて「さかい」で揚げ物を頂きました。
商店街の名物的な有名店のようで事前に調べた情報でも必ず取り上げられています。
私自身は始め、とりあえずいくつか揚げ物屋さんを見て考えようと思っていたのですが、この「マグロメンチ」が売り切れているのを見たらどうしても食べたくなってしまって、ついお店のお姉さんに「マグロメンチありませんか?」と聞いていました。
「少し時間かかるけど15分くらいかなぁ」との声が。
「じゃあ、また15分くらいしたらまた来ますね」
「ありがとう、いくついるの?」
「一つです」
「じゃあ、取り置きしておくね」と笑顔。
その日は店員さん、右手を怪我されているみたいで包帯巻いていて不自由そうでしたがその笑顔と優しい言葉は味以上の付加価値でした。
15分後、マグロメンチを頬張り、じわっと広がるジューシーさ。サイズは大きいですが魚ですからさっぱりとした口当たりで満足感たっぷりのまま食べ終えました。
人気揚げ物屋さんを体験してから『ひと』を読むとまた違った面白さにやられてしまうと思います。
今『ひと』をぱらぱら捲りながら記事を書いていますがにやけてしまうような面白みにやられています。
※『ひと』のモデル店という事実があるわけではなく、あくまで私自身の想像上の楽しみです。
和菓子屋「梅むら」
大人気商品「おばあちゃんのいなり寿司」を購入しました。
もちもちであまーいいなり寿司で優しい味でした。
毎回訪れたら食べたくなる味です。それに美味しい揚げ物や焼き鳥を食べているとどうしてもご飯ものも食べたくなってしまう。
テイクアウトでも買って帰って家でも堪能しました。
「銀座ホール」の砂町名物・巴焼
食堂「銀座ホール」は様々なメニューが揃っていて賑わっています。
それとは別に店頭販売で砂町名物「巴焼」の文字が!
名物と言われるとつい食べたくなってしまう。110円でリーズナブルな値段にも惹かれて1個購入。
あんこが美味しくてはハフハフ言いながら食べました。
色んな味が揃っている商店街の中で美味しく頂いていると甘味の美味しさも引き立ちます。
番外編・すし「海幸」
砂町銀座の入り口にある鮮魚店「魚勝」さんはいつも賑わっているスポットです。
その「魚勝」直営のお寿司屋さんです。
すごい行列ですよね。今回はタイミングが合わずに入ることができませんでしたが、砂町銀座を知る知り合いに言わせればどのネタも新鮮で美味しいお寿司の数々で入らない手はないとのこと。
ランチは超お得らしく、なるほどだからこの行列!
絶対次来た時は行こう!
番外編2・やきとり「竹沢商店」
その場で次々に焼いている焼き鳥は食欲をそそります。
今回は「孤高のグルメ」でも紹介されたという「牛豚煮込み」をテイクアウトしました。
この「牛豚煮込み」は持ち帰りのみの販売です。
注文するとビニール袋に入れて持たせてくれます。だからまだ帰路につかないという方は気をつけてください。
私は持ち帰り、家で温めて食べました。
味は超絶品です!!
やわらかぷりぷりのもつ煮込みです。しっかりした味付けでおつまみにも最適だと思います。
私は前述したおばあちゃんのいなり寿司と合わせて食べて唸りました笑
番外編3・砂町文化センター・砂町図書館
商店街のど真ん中辺りに北に伸びるような形で文化センター・図書館があります。
広くて落ち着ける図書館なので休憩がてらの図書館訪問もいいかも。
隣接している公園にはトイレもあるので便利です。
砂町銀座商店街の感想まとめ
歩いていて楽しくなれる商店街です。
絶品グルメは勿論、店員さんとのやり取りも温かみがあって気分が上がること間違いなしです。
小野寺史宜さんの『ひと』も、どこか自分の人生を諦めたようになってしまっている聖輔が商店街の人たちとの触れ合いを通して変わっていく様子が描かれた話でした。
作品を私は聖輔を応援するような気持ちで読んでいました。
でも今回砂町銀座を訪れて、その聖輔の周りにこういう商店街の人々や商店街の雰囲気があったのだと想像すると改めて初見で読んだ本の面白さに再度触れることができたような思いです。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
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