今回紹介するジョングリーン筆『PAPER TOWNS』です!
ジョングリーンはTime誌で2014年「正解で最も影響力のある100人」に選ばれたこともある人気作家です。
文学賞の受賞歴や映画化された作品も多くありますがなかなか日本人に馴染みのある名前ではありませんよね。
特に海外小説の青春文学と言うとなかなか浮かぶ方も少ないと思います。
そんな中、このジョングリーンと出会いました。1977年生まれでこれからも注目の作家です。
日本だけではなくて読書は幅広く親しまれています。
勿論、海外のものが素晴らしいというわけではありません。だって日本語を使う日本人ですから。
でもこの『PAPER TOWNS』はとっても魅力的な小説なので紹介させてください!
Contents
あらすじ
アメリカが舞台の海外小説です。
高校生であるクエンティンは幼馴染のマーゴに恋しています。
マーゴは自由奔放で誰もが驚くことをやってのける魅力たっぷりな人気者です。
そんなマーゴがある晩を境に忽然と姿を消します。
クエンティンはマーゴを追いかける内に彼女の残した手がかりから意外な一面を発見していきます。
『PAPER TOWNS』の感想(ネタバレ極小)
ベストセラー作家ジョングリーンのエドガー賞受賞作で映画化もされています。
でも最近色んなものに手を出して読んでいる内に興味を持って、作家の情報やあらすじをながめて興味を持って手に取りました。
訳者の力も大きいと思いますが海外文学でもとても読みやすくあっという間に読めました。注も少なく今の私達の世界にほとんど違和感なく言葉も入ってきます。
内容は青春小説で、クエンティンには親友と言える友人が2人いて、時々ぶつかりながらもマーゴが自分の活動範囲に残した手がかりから行き先を推理して追っていきます。
クエンティンの一人称で気持ちの揺れ動きがよく分かる文章です。
仲間たちとの会話は海外っぽいのですがユーモア溢れていて面白いです。
読んでいて感じたことを書きます。
好きになるって始めは憧れで、実際近づいてみると好きになった時のイメージが虚像のように思えることもあります。
恋愛だけじゃなくて友情であっても価値観の違う行動を相手のせいにして、ふと気持ちを突き詰めていくと結局自分のことばっかりだったりします。
それは高校生でなくても、大学生でも社会人でもそういう部分は持っていると思いますが、高校生だからこそ彼らが時には全力でぶつけ合って苦しんだり悩んだりしてしまうのがもどかしくて美しく感じました。
そんな十代の多感な時期の愛と喪失に気持ちを乗せて読んでいるとラストはなんかむず痒く温かくも悲しくて、昔こういう気持ちが大事だったなって思い出させてくれるような話でした。
終わりに
私は海外小説に詳しい人間ではありません。
ハリーポッターシリーズやスティーブンキングの作品は好んで読んではいました。
また学生時代はかっこつけで海外文学の古典を読んでいた時もあります。
正直、当たり外れはありました。
外れても苦行のように改行がなくて恐ろしいほど長い作品を読み切ったこともありました。
でも面白いものはあるんですよね。ハッとさせられるような感覚に身をゆだねられるような小説もあります。
生きていて感情のひだは出来る限り深くしておきたいと思います。
どんどん凝り固まっていくのは嫌だもの。
だから時々真剣に知らない世界の本を調べたり、店頭で紹介されているものを冒険してみたりします。
今回の紹介はその中の一冊です。