純粋で真っすぐな恋愛小説です。
この小説を読んで初めて出会う純粋さに出会いました。
この小説はお年寄りふたりの恋の話です。
この小説の筆者であるケント・ハルフは妻のキャシーに「僕らの物語を書こうと思うんだ」とこの小説を書いたそうです。
ハルフが好きだったのはキャシーと夜、ベッドに横たわり手を握りあって話をしながら寄り添って過ごす時間だったから。
そしてこの物語を書き上げて、出版については見届けることなくハルフは亡くなりました。
遺作となったこの作品は海外の小説ですが私たちに伝わる言葉が切々と綴られています。
Contents
あらすじ
アディーは近所の1人暮らす男性・ルイスに夜、ベッドで横になってお話をして一緒に眠る提案を持ちかけます。
アディーは夫を亡くしてずいぶんたっていてルイスもまた妻を亡くしてずいぶんたっています。
夜の闇の静けさの中で穏やかですが深くて強い、ふたりの新しい愛の物語です。
夜のふたりの魂の感想
お年寄りふたりの恋は近所の人や息子からすれば滑稽にうつることもあります。ふたりには亡くなった伴侶の記憶を始めとする今までの道のりがあるわけですから。
でもふたりが夜ひっそりとお互いの話をして嬉しい気持ちになって、翌日がまた楽しみになるような日々はとても素敵です。
ただ物語はほんわか平坦ではなく、周りの目や状況の変化によって切なさ、はかなさを感じさせるようなストーリーでもあります。
私は読んで、日々の中で穏やかでほんの些細なことがどれだけ喜びに満ちているのか感じさせられました。
お互いに興味を持って接することって本当に大事ですね。
ルイスがアディーの子供時代のこととか今の気持ちとか好みとか色々聞きたいことがあると言います。
アディーもあなたに同じことを全部聞きたいと返します。ふたりは急がず自分たちのペースで眠りに落ちるまでおしゃべりを楽しみます。
そんなおしゃべりの1つ1つがあたたかく気持ちに残ります。
夜のふたりの魂を読んで感じたこと
すぐに自分のことや自分の気持ちばかりになってしまいがちな私でも、1日1日頑張って、少しでも意識を周りに向けられるようなアンテナを持てばこの小説のアディーとルイスのように身近なところで喜びを感じられるようなお年寄りになれるのでしょうか。
私はこの小説を読めて今、幸せな気分です。この気持ちを忘れずにこれからを過ごしていこうと思います。
海外の小説ですがとても読みやすく、シンプルでまっすぐな言葉で綴られています。
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