『殺人出産』!
生むことと殺す事を一緒にしたタイトル。
店頭でこの本を見かけた時、興味を惹いて手に取りたくなる気持ちと、読むことが恐ろしく感じてしまうような重い気持ち両方がありました。
目が覚めるような衝撃を与えてくれる本です。
村田沙耶香さんは芥川賞受賞の『コンビニ人間』はこのブログでも記事として紹介しました。
どの作品も目が覚めるような衝撃を与えてくれる問題作と言っても言い過ぎではないでしょう。
そしてこの『殺人出産』も衝撃的です。
だから『コンビニ人間』が好きな方には絶対おすすめ!
そして衝撃的な読書したい方にも全力でおすすめしたい本です。
Contents
あらすじ
短編集です。四編綴られていて、近未来(?)が舞台です。
10人子どもを産んだら1人誰かを殺すことが合法化される世界を描いた「殺人出産」。
恋愛やセックスの形が2人のカップルで行うものより3人で行うことが一般化している世界を描いた「トリプル」。
その他の作品も普遍の価値観を揺さぶるような短編集です。
殺人出産の感想
色々とばたばたしていて気分的に短めで面白い本を探して読みました。
でもやられました笑
どっぷりです。
重いというか完全に活字に飲み込まれるような力を持った本でした。
多分内容を誰か友人に口頭で伝えようと思っても、「なんだそれ」で終わってしまうような話なのに、この小説を読むとそれがあたかも今住んでいる世界のルールのように感じてしまう。
驚いたのは、「殺人出産」で誰かを殺すために子どもを産むなんて間違いだと唱える人物がいるのですが、正しいことを言っているようなのに、完全にこの人何言っているんだと思ってしまった自分がいたことです。
自分をどこか別の世界に持っていくことができる小説ってすごい!!
面白いのか、楽しいのかも分からないですが読んでいる最中、ずっとその小説の世界から離れられませんでした。
最近読書が退屈で、気持ちを引きちぎっていくくらいの力を持った読書を体験したい方に勧めたいです。好き嫌いは分かれるでしょうけど。
あー、びっくりした笑
殺人出産を読後感じた〇〇
読書をしてどういう気持ちにたどり着くのかを予測して手に取っている自分がいました。
読後感を期待してというのでしょうか。
だから一時期作家が偏った読書をしていた時もあります。
でも最近は本屋さんやインターネットで結構長い時間表紙や帯、簡単なあらすじを見たりして選ぶことも多いです。
そうやって選んだ『殺人出産』だったのですが、「あ」と思い出しました。『地球星人』を読んだ時の驚きです。
気付いた時にはもう遅く最後までその文章の力で最後の短編までぐいぐいと読んでいました。
好きな感覚なのか分かりませんがついつい私が手に取ってしまうタイトルや内容が込められているのだと思います。
今回も「すごいの読んだ」感が大きく胸に残りました。