作家・三浦しをんさんのエッセイ集です。
雑誌「BAILA」に連載したエッセイをまとめたものです。
三浦しをんさんは『舟を編む』、『風が強く吹いている』、『まほろ駅前多田便利軒』など数多くのヒット作を生み出している作家です。
今年も『愛なき世界』が2019年本屋大賞にノミネートされて話題になりました。
小説作品もどれもこれも面白いのですが、実はエッセイも面白いのです!
のっけから失礼しますの感想
ややハイテンションな文章で綴られる軽妙な文章の数々。
パイプカットして自身のことを話しまくるタクシー運転手の話から『ハイキュー』大好き、漫画大好きの熱い想いの話、体脂肪の話などなど。
どれもこれもカフェや居酒屋で友達と盛り上がった時の話のようなこちらまで大笑いしてしまうような話ばかりです。
読んでいると「あー今日は面白かった」と言ってしまうような文章にすっきりできます。
連載されたエッセイの他にも書き下ろしのエッセイも多数入っています。
書き下ろしの中では食洗器導入で喧嘩する夫婦の話、突然の奥さんのブチギレに困惑する旦那さんの姿、そこから「どうして言ってくれなかったの」「何度も言った!」問題に話が発展していき……笑ったし、頷けた。
「豊富な経験に基づくアドバイス」が本当に大笑いした。
脳内での恋愛経験(石油王や財閥の総帥との恋愛や学園の王子様との脳内恋愛)を
大丈夫、我々の恋愛経験(?)は十二分だ
と言い切ってしまうしをんさんと友人との会話。
エッセイの内容を一つ一つかいつまんで内容を話すことはしませんが少しずつ読んで毎日笑いました。
おバカな話ばかりですけど、おバカな話大好きです!
どうでもいい話を大笑いしながら話したい気持ちになることたくさんあります。
だからこのエッセイ集を読んでいて涙を浮かべながら硬く凝り固まった気持ちがほぐれていくのを感じながら、
あぁ、とっても面白い。これはおすすめだと思いつつ紹介しました。
終わりに
なんだかんだ言って笑うことってとっても大事だと思います。
ふと仕事に飲み込まれたり、笑うことを忘れたような大人たちと会話をしていると自分も同じように日々のタスクをただこなして過ごしているような気持ちになります。
だから本を読んだり、漫画を読んだり、動画を観たり、友達と話したりすることが自分にとってとっても大事です。
全部なくても生きていけるものなのかもしれませんけど、なかったら生きているの面白くないと言ってもいいようなことばかり。
日々意味もなくげらげら笑いながら過ごしていけたらもうそれは人生楽しいの保証を得たことと同じような気がするのです。
あー、すっごい笑った。しをんさんの今までのエッセイも面白かったけど、今作、とびぬけて笑ったエッセイ集でした。