ヨシタケシンスケ発想えほんシリーズ第4弾!
大人気の絵本作家、ヨシタケシンスケさんの作品です。
わたしには きらいなひとがいる。
なんにんか、いる。
頭の文章から心に刺さります。
誰だって感じたことのある気持ちが明るい方向へと顔を向けられるような仕掛けで溢れています。
子どもが楽しめて、大人も一緒に楽しめてしまうような絵本を紹介します。
Contents
簡単なあらすじ・説明
きらいな人がいてもいいんじゃない!
イヤな気持ちって、自分ではどうしようもないどしゃぶりの雨のようなもの。
そんなときはね……!
ヨシタケシンスケ流こころの処方箋。
ここからネタバレ注意!
ころべばいいのにの感想(ネタバレ)
対象年齢は?
イヤな気分、きらいなひとをテーマとして進んでいきます。
内容をしっかり掴むには小学校高学年以上が対象となるように思えます。
ただかわいらしい絵とばい菌みたいなイヤな気分の姿、ユーモアのある展開は小学校低学年からでも充分楽しめて、得られるもの、感じられるものもたくさんある絵本です。
私自身、大学時代に絵本の読み聞かせや自分達で作ったペープサートや人形げきを発表したことがありますが、今考えれば内容はとても難しかったです。でも集まってくれた子ども達は本当に楽しんでくれていました。
物語の何割かが明るい雰囲気となって伝わって歳を追いながら内容をさらに詳しく理解して楽しみを深めていくような絵本だと思います。
”イヤな気分”を対象化して
アイツを きらうパワーを つかって、
おもしろいことを たーーーくさん かんがえるんだ!
という前向きな展開は微笑ましいし、見開きの絵は子どもだけではなくて大人もじっくり見て楽しめること間違いなしでしょう。
大人になっても嫌な気分との付き合い方は大きな問題であり、テーマです。
子どもの頃と比べれば嫌な気分になる理由は多少形は変えても本質は変わらないように思えます。
だから、この絵本を手に取って読んでいく内に、大人である私も私なりにイヤなことについて思い切り考えることができました。
年齢関係なく自由に発想できる素敵な発想えほんシリーズの一冊でした。
表紙から始まり裏表紙まで本当に素敵です。特に裏表紙の終わり方が私は大好きです!
終わりに
嫌いな人を自覚したのはいつだったのか考えました。
小学校高学年あたりのことが思い浮かびます。だんだん人間関係がこじれてきて思い悩むこともありました。
その時の自分に会うことができたとしてもはっきりとした答えで明るくしてあげることはできない。
でもこういう本を渡して方向だけでも楽しい方向へ向けてあげられることはできると思います。
絵本でも小説でも、読書は自分なりに読んで好きに得たいものを得られるから素敵です。その自由っぷりが。
この絵本はどこを切り取って何を得ても根本的な前向きさが率直な嫌な気分と向き合っているからとても素敵な絵本だと感じました。