驚きのタイトルと他人事に思えない危機を描いたエンターテイメント!
皆さんは読む本をどのように選んでいますか?
テレビとか雑誌で紹介されているものをネットで買ったり、本屋で平積みになっているものを買ったり人によって様々だと思います。
私も大体、インターネットと本屋で大体半々くらいの割合で購入しています。
本屋では陳列されている書籍の表紙を見て、帯を見て、本当に熟考に熟考を重ねて選びます。
この書籍はまずタイトルとマンションの住民会議というギャップがまるで内容を想像できなくて読み始めました。
タイトルは目を引きますよね。
でも実はとても切実で私達にも他人事には思えないような危機が描かれている一冊なのです。
Contents
あらすじ
天才建築家・小宮山五朗が設計した通称「おっぱいマンション」。
立地もデザインも抜群、いわゆるヴィンテージマンションで居住希望者もひっきりなしのマンションでした。
ですが時間も経ち重大な問題が発覚してしまいます。
小宮山五朗の娘、学生運動上がりの元教師、秘密を抱えた元女優、小宮山五朗の右腕がそれぞれの想いの元、住民会議という戦いの場へ集まります。
他人事とは思えない危機を描いた切実なエンターテイメントです。
おっぱいマンション改修争議の感想
まずタイトル。
何この話?と思って手に取るとこの物語はおっぱいマンションのこれからを巡る他人事には思えない危機らしい。
ますます何?で読んでみようと!笑
住処を買うことは人生最大といえる買い物の一つで家について考えることは人生を考えることに繋がります。
だからマンションに関わる人間たちの話は深くて重くて生々しい。
個性的な言葉と深みのある気持ちの流れが印象に残る話でした。
人物ごとそれぞれの視点の章があって、最後に一同に住民争議として集います。
はらはらどきどきスリリングな会議です。
個性のある話は記憶に残るからのめり込みやすい!
引き込まれました。
私は個人的に親が一軒家を建ててそれを手放す姿を見てきたのでその時のことを思い出しました。
前向きに捉えて欲しくて借家に引っ越した時に「わー、こっちの家も最高だねー」なんて笑ってましたが、きっと親としてはその言葉も複雑に思えたのかもしれませんね。
確かに他人事じゃないドラマが描かれた本でした!
終わりに
よく「持ち家派か賃貸派か」なんて話題がニュースやTwitterで上がっているのを目にします。
金銭的な問題、老後の生活を考えて選ぶなど色々それぞれの人にとってその答えは違いますよね。
私は特にゆくゆく家やマンションを購入しようという考えはないのですが、親がかつて家を手放して、それから両親が離婚して家族全員一人暮らしの間取りの賃貸で生活をし始めたので、帰省して皆で集まるという感覚がなくなって寂しい気持ちは多少あります。
まぁ、全員揃わなくても時々居酒屋とかでそれぞれ集まっているのでいいっていえばいいのですが。
でもこの小説を読んで感じたことですけど、住処を考えるということは人生を考えることに近いものがあるなぁと感じました。
勿論マンションとか一軒家購入となれば金銭的な縛りも人生計画に大きく影響されるものだと思うし、単純に自分の人生のホームをどこにするのかということはその人やその人の家族には人生の内で最も大きな選択肢の一つのように思えます。
この小説は言葉のインパクトにくすりと笑って惹きつけられながらもそんななかなか考えさせられる内容が詰まっていて気持ちに残るような作品でした。