「読むとクスッとしてホッとしてちょっとイラっとする」スケッチ解説エッセイです。
絵本作家・ヨシタケシンスケさんは『りんごかもしれない』や『ころべばいいのに』など子どもも楽しめて、大人もつい見入ってしまうような絵本をたくさん発表されています。
数々の賞を受賞されていて注目を集め続けている作家さんです。
今回紹介するのはそんなヨシタケシンスケさんのスケッチ解説エッセイです。
Contents
簡単な説明
電車で、カフェで、自分の家で。
「ついつい考え過ぎちゃう」ヨシタケ氏がスケッチと共に書き留めた、まじめなことから世にも下らぬことまで綴られています。
例えば、
「仕事のピンチを乗り切るには?」
「いわゆる男女の仲って、何?」
「他人のストローの袋が気になる」
「孤独感を、どう解消するか」
「明日、すごいやる気を出す方法」など。
読むとクスッとして、ホッとして、ちょっとイラっとする(笑)スケッチ解説エッセイです。
ここからネタバレ注意!
思わず考えちゃうの感想(ネタバレ)
ヨシタケさんは普段思わず考えてしまったこととかをスケッチとして書き留める習慣があります。
そんなスケッチを解説と共にまとめられている本なので内容は本当に「ふと」したようなものばかりです。
「ききうでのつめは切りにくい」なんて本当に軽い話題もあれば、「幸せとは、するべきことがハッキリすること」という深いことも書いてあります。
軽いのも深いのもよく分かることばかりで読んでいて親しみやすいスケッチの雰囲気もあってふわっと楽になるような気分になれました。
本当は人生は本当にささいなことの積み重ねなんですよね。
何気なく繰り返し生きているようでもそこには自分の趣向が詰まっている一日に仕上がっています。だからこうやって日々をスケッチしていくのは自覚していない自分に気づけていいのかも。
特にヨシタケさんのスケッチはくすっと笑えて頷けるものばかりで楽しく読ませてもらいました。
特に私が好きなのは第2章の「父だから考えちゃう」です。
ラーメン屋さんで飴をもらった女の子がにこーって笑った話、すごく想像できて微笑ましかったです。
あとプンちゃんという亀のぬいぐるみが何かの下敷きになっていてヨシタケさんが、
こないだ、あんなに欲しいって言うから買ったのにって思って、
「プンちゃん、はさまっちゃってるよ?」って言ったら、
「だいじょうぶ。プンちゃんいたいのだいすきだから」
という子どもさんの返し。
こういうナナメ上の思いも寄らない角度からの返し、大好きだなぁ。
その他も好きな雰囲気が詰まっていて、また時々開きたいと思わせる素敵なスケッチ解説エッセイでした。
終わりに
スケッチ解説エッセイという言葉も好きです笑
初めて聞く言葉で何度も繰り返したくなりました。
日々思ったことをスケッチとして残すって私からするとすごい能力だと思います。
私も思ったことをメモで残す習慣はありますけど、読み返して「こういう気持ちではなかったような」と、メモを読んでもその時の熱量ほどには思えないこともたくさんあります。
でもヨシタケさんはスケッチを残してそしてこんな素敵なエッセイを発表している。すごいや。
このホッとする感じは絵本にも共通していますね。