映画化された誰もが想像したことのある宝くじストーリーです!
川村元気さんの2014年発刊の長編小説で昨年映画化されて話題になりました。
お金の話題はとてもデリケートな話題でもあり、誰もが気になる話題でもあります。
そんな気になる話題に切り込んで「どうなるの? 読みたい!」という気持ちを沸き起こさせてくれる小説。
Contents
あらすじ
一男が宝くじで当選して突如三億円という大金を手にするところから話は始まります。
手にしたことのない大金を手にして戸惑う一男はかつて「お金と幸せの答えを見つけてくる」と言って別れた親友の九十九の存在を思い出す。
15年会っていない九十九は現在では三億円どころではない資産を手に入れているという話を聞きます。
一男は相談に九十九の元へ行くが訪ねた直後、九十九は三億円と共に失踪してしまいます。
一男は九十九とお金をめぐり、九十九とゆかりのある個性的な人たちの元を回っていく話です。
億男の感想
宝くじが当たったら当選金をどう使おうとか、競馬で当たったらその当たったお金をどうしようとか、はたまた何かのコンテストとか大会とかに参加して優勝や入賞したらその賞金をどう使おうとか考えたことはありませんか?
取らぬ狸の皮算用ということわざもあるくらいで、統計したことはありませんが結構いるのではと思います。
私は宝くじなんて今まで生きてきて両手で数えるまでもいかないくらいしか購入したことないし、ギャンブルもほとんどといっていいほどしませんが、それでも、ごくまれに参加した時には使い道について夢想して誰かに語ったり、考えたりしたことはあります。
でも手にしたお金が幸せや喜びに変わるものなのか、そういう風に突き詰めて考えたことはありません。
お金がなければ不幸なのか、不幸なこともあるかもしれないけど、お金があれば幸せなのかとか。
まぁ、お金をなん億円も手にしたことはないし、言葉にすると綺麗事ばかりになりそうなのでつらつら書くのは控えます。
実際、お金いらなくないし(微妙な言い回しですが笑)。
でもお金に関して持つイメージは人それぞれ違っても興味を持つテーマだと思います。それをここまで正面切って物語にしてしまえばそれは読んでしまいます笑
こういう題材そのものに興味を持ってしまう本て小説としてなかなか出会ったことがないです。実用書買っちゃうし。
物語としても面白いし題材も面白い、これって凄いことだと思わされた一冊です。
あと落語が下敷きになっている部分があって落語で「芝浜」や「死神」が好きだという人は楽しめるところがあると思います。私は両方好きな落語で嬉しくなったところがありました。
お金がどうとかではなくて、これからの自分自身の喜びが何なのか、そのための自分の歩みの方向についてはよく考えて、実際に動いていこうと思いました。
今までもこれからも夢みたいにならないように。
億男を読んで感じたこと
気になる話題が詰め込まれていることがすごい。
きっと読み手となる対象のことをたくさん考えて作られているのだと思います。
だから序盤を読んですぐに小説の魅力の波に乗れてしまう。
その作家に興味があって読む読書も多いですが、作品の内容に興味を持って読む小説の代表的な話だと思いました。