川端康成の代表的短編小説!
ノーベル文学賞を受賞された作家で「言葉の天才」とも言われる川端康成。
作品自体は読んでいなくても冒頭部分は知っているという方も多いのではないでしょうか。
特に有名なものを2つ。
『伊豆の踊子』の冒頭。
道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃、雨足が杉の密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追って来た。
『雪国』の冒頭。
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなつた。信号所に汽車が止まつた。
有名な文章であり、今読んでまた惚れ惚れとしてしまうような美しさを感じてしまうのは私だけではないでしょう。
ノーベル文学賞受賞するほどの評価を得た川端康成でしたがガス自殺で生涯を終えるという生き様も記憶に残る作家でした。
そんな川端康成の初期の代表作と言われる『伊豆の踊子』を取り上げます。
Contents
簡単なあらすじ・説明
孤児として育ったせいで性格が歪んでいるということに気づいた主人公の学生「私」はその思いに耐えかねて伊豆へ旅へ出ます。
その道中で旅芸人の一行と出会い、ある踊子に惹かれます。踊子をはじめとした旅芸人の一行と旅を一緒にしていく短編です。
伊豆の踊子の感想
小さな頃から何度も読んだことのある作品。
この踊子の純粋な美しさは昔も今も魅力的にうつります。
女性から見た感想はどうなのだろう。
金銭感覚とか当時の当たり前とか注を追いながら想像して読みますが、この「私」の気持ちが身近に感じることも多いです。
人との出会いで涙することができるというのは文章で読んでいても綺麗なものだと思いました。
擬音語・擬態語の使い方が独特なものがあって、私には使えませんが、素敵です。
たとえば「ことこと笑う」とか。
こういう感性は才能なのかな。知識なのかな。不勉強でわかりませんが、近代文学を読むと日本語の美しさを感じられることが多いです。
読んだ方はたくさんいらっしゃると思いますが、短くてさらっと読めて味わい深さのある短編です。
終わりに
先日投稿した『20CONTACTS 消えない星々との短い接触』で川端康成に触れて、私も大好きな作家だったのでこの作品に触れたいと思い取り上げました。
あの目力で見た景色が文字としてはこれだけ美しき浮かび上がる。
いつまでも風化しない日本文学の一つだと思いますし、これから先ずっといつまでも新しい世代にもこのような作品に触れることで「日本語の表現って綺麗だ」と感じてもらいたいとも思います。
川端康成は私が生まれる前に活躍された作家ですが私が『伊豆の踊子』や『雪国』を読んでそう感じたので。