「ゴッホ展」に行ってきました。
フィンセント・ファン・ゴッホは日本人の中で最も有名な画家の一人ではないでしょうか。
上野の街も歩いてみるとこの「ゴッホ展」と「コート―ルド美術館展」の広告がいたるところに見られます。
それくらい話題の美術展である「ゴッホ展」を観て、それまでゴッホに抱いていたイメージとは違う刺激と興奮を与えてくれました。
大注目の美術展を紹介します。
Contents
ゴッホ展、案内(料金、アクセス情報含む)
2019.10.11(金)~2020.1.13(月・祝)で上野の森美術館で開催されています。
また、2020.1.25(土)~2020.3.29(日)では兵庫県立美術館で開催される予定です。
上野の森は上野公園内の美術館です。
[観覧料] | 一般 | 大学生・専門学校生・高校生 | 中学・小学生 |
当日 | 1,800円 | 1,600円 | 1,000円 |
団体 | 1,600円 | 1,400円 | 800円 |
※兵庫展の料金は別体系で、一般1,700円、大学生1,300円、70歳以上850円、高校生以下無料です。高校生以下の方は無料でゴッホの絵画に触れる本当に大チャンスですね!
ゴッホ展のみどころと感想
音声ガイド(600円)が借りられるので代表的な絵画のストーリーの説明と共に楽しむことができます。
音声ガイドのナビゲーターは俳優の杉咲花さん。鑑賞のポイントや作品にまつわるエピソードを優しい声で届けてくれます!
それではゴッホ展のみどころですがこれはずばり、
ゴッホはいかにしてゴッホになったのか
この一言につきます。
私達はゴッホ展を通じて、ゴッホの人生の変遷を絵画の変遷と共に追うことができます。
フィンセント・ファン・ゴッホの画家と生活は10年ほどです。
短く濃密な時間の中には苦悩があり、変化があり、そして魅力があります。
魅力は絵画だけではなくて、その人生にもあります。ドラマチックというべきか、事件というべきか。
「左耳切り落とし事件」や「ピストル自殺」、「弟との絆」という一つ一つの衝撃的なトピックは有名です。
ただそこに至るまでの過程や、それを繋ぐフィンセント・ファン・ゴッホの人生の変化、絵画の変化を知ることで身近で、そして一つの生きたドラマを観たような気分に私はなりました。
絵画に詳しい・詳しくないということとは別に自分達と同じようにゴッホも生きていたのだということを感じられる美術展だと私は思いました。
だからこそおすすめの美術展なのです。
それではゴッホ展で観ることができる絵画作品について具体的に触れます。
1.「ハーグ派」に導かれたゴッホ作品
ファン・ゴッホは1881年末から2年ほどを当時の芸術の中心地ハーグで過ごし、ハーグ派の画家たちの出会いによって専門的な技術を習得しました。
風景やなにげない日々の暮らしの様子を戸外で描いた彼らにならい、モティーフに対する真摯な取り組みな姿勢も学びました。
そしてファン・ゴッホはようやく本格的な油彩画に挑戦します。それが《ジャガイモを食べる人々》です。
この作品で、土とともに生き、自然の移り変わりに寄り添う農民のありのままの姿を表そうとしたのです。
その他にもフィンセント・ファン・ゴッホの弟テオに当てた手紙やその他のハーグ派時代のゴッホ作品がずらりと並べられています。
観て驚く人も多いと思います。ハーグ派は「灰色派」とも呼ばれる柔らかい光やくすんだ色調が特徴としてあります。
ゴッホと聞いて黄色い麦畑やひまわりの絵を思い浮かべる人が多いと思います。そのイメージからいくとわずか10年ほどの画家人生の中でゴッホがいかに変化してきたのかが分かります。
その第一歩としてハーグ派の絵画から印象派の絵画へと辿ってみると、「どちらが好きだ」という以上の一人の人生を追う面白みを感じられると思います。
2.「印象派」に導かれたゴッホ作品
日常的な主題から受けた印象を直感的に表現したような「印象派」の絵画。
クロード・モネやポール・セザンヌといった名前も聞かれた方が多いと思います。
伝統的な絵画の約束事に囚われず独自の絵画様式を探求した画家たちです。
ハーグ派の絵画から印象派の絵画へと足を進めるときっと驚かれると思います。
だけどどちらもその時代で絵画と全力で向き合ったゴッホの結晶です。
そして印象派の絵画と言われているゴッホの作品の中でも変化があります。パリ時代、アルル時代、サン=レミ時代とまた絵画から受ける印象も違ってくるように思えます。
煌びやかな麦畑の絵画。
力強く捉えがたい黒の色調にゴッホが魅了された糸杉の絵画。
テオへの手紙も展示されているのでその時代のファン・ゴッホの気持ちと共に絵画を追うことができます。
3.グッズも魅力的!
絵画のポストカードやポスターなどのグッズは勿論、スヌーピーとのコラボグッズも多数あります。
ぬいぐるみが人気のようですが、マグカップが本当に好みで購入しました。
自宅にて。
スヌーピーは家でゴッホの絵を持っていたという設定なのですよ。(70年代に火事で焼失してしまいますが)
終わりに・合わせて読みたい書籍紹介
絵画展での絵の楽しみ方は各々皆違うと思います。
それは人生を追いながら絵を鑑賞して感じることはやはりそれぞれ違うから。
フィンセント・ファン・ゴッホについての絵本や小説も発売されています。その中でお勧めのものを紹介します。
まず原田マハさんの『たゆたえども沈まず』です。
史実に基づいたフィクションは私自身、ゴッホの絵画をほとんど知らずに読みましたがそのゴッホとゴッホの周りの人々が織りなす物語に震えました。
本当におすすめの一冊です。過去に記事も書きました。
絵本『ぼくはフィンセント・ファン・ゴッホ』もおすすめ。こちらはゴッホ展で私は購入しました。ゴッホを分かりやすく知り、感じることのできる工夫が散りばめられていて小さな子にも読んで欲しいと思える一冊です。
まだ美術展期間も続きます。
自分を広げるお休みの使い方として「ゴッホ展」、ゴッホにまつわる書籍共にいかがでしょうか。