知念実希人さんの新作です!
SNS上でもとても話題になっていて本当に人気のある作家さんだと改めて感じました。
今年『ひとつむぎの手』が本屋大賞にノミネートされてそれからファンになったと言う人も私の身近にもいました。
知念さんは医師経験者で医療現場の小説が多く、『ムゲンのi』も医師が主人公の小説です。ただ世界観は新しく、人の内面に潜り込むような不思議な世界が広がっています。
そしてそれは上下巻ですがあっという間に読んでしまうような新しい魅力に感じました。
ムゲンのiの簡単なあらすじ・内容説明
若き女医が人智を超える奇病と事件に挑む物語です。
眠りから覚めない謎の病気イレスという難病の患者を3人も同時に抱え識名愛衣は悩んでいます。
祖母の助言により〈マブイグミ〉という不思議な方法で患者の内面を知っていく中で、患者と猟奇的殺人事件、少年Xの正体が繋がっていきます。
ムゲンのiのレビュー・感想
知念さんが医師経験者という経歴で、前作が本屋大賞にノミネートされるなどここ数年ずっと大注目されている作家さんです。
この物語は病院内のリアルに感じる描写と不可思議な世界の描写が合わさってどんな展開になるのか想像できないまま、どんどん本の世界に引き込まれました。
展開が全く読めない!
どうなってしまうのだろうと先に進んでいくとなおさら読むのを止められなくなりました。
『ひとつむぎの手』とはまた違う雰囲気ですね。今作にはファンタジー的な要素がたくさん入っています。
だけど、最後まで読むと納得できてしまう設定に驚きました。
上下巻なのですが、最後まで全く飽きることなく盛り上がっていきます。
眠りから覚めない四人の患者、猟奇的連続殺人、少年Xの正体。
一つ一つはどこかで観たり聞いたことがある題材なのにそれがリアルと不思議が合わさったような世界で繋がっていて驚きがあり、そして面白かったです。
終わりに
一人一人の患者の話にのめり込んでいる内に事件とか識名愛衣自身のことが浮かび上がってきて最後はもう一気読みでした。
読後は辻村深月さんの『かがみの孤城』を読んだ時みたいな読後感でした。(『かがみの孤城』は文句なしでとても面白い小説だったので、つまり胸が一杯とても面白かったということです)
一つの小説を読んで色々な世界へ飛ばしてくれるようなどっぷり漬かれる読書としておすすめです!
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