「うんどこしょ どっこいしょ」
耳馴染みのあるフレーズ。ロングセラー絵本『おおきなかぶ』に登場する掛け声です。
ご家庭で絵本を読んだ経験があるという方も多いと思いますし、読み聞かせの絵本としても人気のある作品です。
有名なロシアの昔話をA.トルストイの再話、内田莉莎子訳、佐藤忠良画という形で発売から50年以上経った今も変わらず子どもたちを楽しませてくれています。
Contents
おおきなかぶのあらすじ・説明
おじいさんが植えたかぶがとてつもなく大きなかぶになりました。おじいさんは「うんとこしょどっこいしょ」とかけ声をかけてかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。
おじいさんはおばあさんを呼んできてかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。
おばあさんは孫を呼び、孫は犬を呼び、犬は猫を呼んできますが、それでもかぶは抜けません。
とうとう猫はねずみを呼んできて……。
ロシアの昔話を元にした絵本です。
(読んであげるなら3歳から、自分で読むなら小学校初級むきの絵本)
おおきなかぶの感想
昨日投稿した小川洋子さんの『小箱』でも亡き子ども達が演じた劇という形でこの『おおきなかぶ』が演じられていました。
大きなかぶは相変わらず平然としている。おじいさん、おばあさん、孫、犬、猫、ネズミ。あふれかえる舞台の上で、それでも子どもたちは順番を守っている。前の子を押しのけたり、後ろの子にちょっかいを出したりする子はいない。大きい人から小さい生きものへ、力の強い人から弱い生きものへ、という順序が大事なのだと、誰に教わったわけでもないのにちゃんと知っている。
「うんとこしょどっこいしょ」と子ども達が繰り返し大きなかぶを抜こうとする一場面を想像するだけで微笑ましく、そしてなんだか泣けてきませんか。
これは『小箱』の一場面ですが、小さな子にこの絵本を読み聞かせしたことがあって一緒に「うんとこしょどっこいしょ」と繰り返して、ねずみが登場した場面で「ねずみもー」と驚き、喜ぶ子どもの姿が嬉しくなった記憶があります。
きっと特別な光景でなくてこの本は今までずっとそういう子どもの楽しみや成長の一場面を担ってきた一冊なんだと思います。
「困った時に誰かを頼ることの大切さ」、「どんなに小さな力でも大切な一つの力なのだということ」、色々な教訓のようなものも詰まっています。
最後にねずみがネコのしっぽに自分のしっぽをくるくる巻いて引っ張る絵がとても可愛らしいです。
繰り返される「うんとこしょどっこいしょ」の末にかぶが抜けて笑顔で終えることができました。
終わりに
絵本の名作として必ず上げられるこの絵本。
『はらぺこあおむし』などの作品と共に読み聞かせでも定番です。
小川洋子さんの『小箱』を読んで、改めて読んでみましたが、おじいさんにおばあさんにまごにいぬにねこにねずみにどんどんそれぞれの垣根を飛び越えて繋がっていくさまは素敵で、かぶが抜けて喜ぶ絵にじーんときてしまいました。