「宝石×質屋」のきらきらの人間ドラマ!
『のだめカンタービレ』や『87CLOCKERS』の二ノ宮知子さんの漫画です。
のだめでは「クラシック」、87では「オーバークロック」。
こんな世界があるのかと興味と面白さを与えてくれる大好きな漫画家さんです。
現在連載中の『七つ屋志のぶの宝石匣』は宝石のディープな世界を魅力的な人間ドラマで魅せてくれます。
簡単な漫画の説明
東京下町の老舗・質屋。
宝石のオーラが見える質屋の娘・倉田志のぶと宝石外商・北上顕定が織りなす人間ドラマです。
顕定の家は家の没落・一家離散により幼少期より倉田家で育ちます。
質屋の仕事を学びながら鑑定眼を学んだ顕定は北上家から離散した宝石類を探すために高級ジュエリー店の外商として各界のセレブたちとの繋がりを得ていきます。
謎や秘密を追い求めていきながらそれぞれの人間ドラマが描かれる漫画です。
ここからネタバレ注意!
七つ屋志のぶの宝石匣 9巻の感想(ネタバレ)
前巻でついに虎徹が登場し、志のぶとも出会い、役者が揃った感がありました。
短編読み切りのようにそれぞれ事件が一つずつ終わっていくのだけど、顕定の一家離散に関する情報が少しずつ明らかになっていって次巻もどうなるのだろうと閉じた記憶があります。
そして9巻はなんといっても、
志のぶと顕定の婚約解消話ですよね!
前巻から顕定が乃和とのSNSの写真を見て思うところあるような描写がありました。
そして出した結論、
最初から最後まで
ただ ずっと顕ちゃんは自分のものだと思ってた
その認識から間違ってる
普通じゃないし 対等じゃない
一度 全部リセットするところから始めなきゃ
自分がどんな気を発しているのだろうと思う志のぶの姿と婚約解消しようという結論は健気というか、優しいというか、真っすぐな気持ちを感じました。
でも婚約解消後の二人のやりとりは面白いです。二ノ宮知子さんの漫画らしい会話が多くてたくさん笑いました。
結局、「合成婚約」が「偽装婚約」になり後退するという……。
そして段々となかなか重い展開になってきました。天然ダイヤと区別がつかない合成ダイヤの存在。
虎徹の母と顕定の昔の記憶が繋がってきっとここからどんどん面白くなる予感がします。
終わりに
きっと世の中には奥が深い物事が溢れているのに気づかせてくれた漫画です。
宝石の世界も奥深い。たくさんの歴史があって、持ち主の数分ドラマがある。
物語も核心に迫ってきて、迫ってきた分、顕定も虎徹もけして明るいわけではない過去に近づいてきてどう気持ちが動いていくのかも気になります。
そもそものだめの時から登場人物の掛け合いが面白くて、ただ会話を読んでいるだけで楽しいんですけどね。
これからはなおさら楽しみになってきました。