松尾スズキさん、初の書き下ろし絵本!
私はこの絵本の舞台を見て「なんだこれは!」と衝撃を受け、絵本を購入しました。
絵本は絵があるけど漫画とはまるで違う雰囲気があります。
文字数的にはすごく少ないのに読み終わると一冊の世界を感じることができる。そして分量故に繰り返し読むし、小さい子が傍にいれば読み聞かせをしたくもなります。紹介して反応をその場で見ることができるのは楽しい。
『気づかいルーシー』の世界は気づかいが気づかいを呼んで積み重なっていってしまう物語。
気づかいかどうかわかりませんが優しさともいえるその行動に至る気持ちの数々はよくわかります。
でも突拍子もないストーリーの絵本だからなんだか笑えてしまうのです。
肩の力を抜いて味わうことができるこの絵本を紹介します。
Contents
あらすじ
ルーシーはおじいさんと2人暮らしです。
ある日おじいさんが馬から落ちて死んでしまいます。
ルーシーを悲しませたくない馬はおじいさんの皮を被ってなりすまし、ルーシーはそれに気づかないふりをします。
ルーシーとルーシーを取巻く人や動物の噛み合ったり噛み合わない気づかいが積み重なったお話です。
気づかいルーシーの感想
帯の裏に絵本の中の文章が引用されています。
ルーシーは見て見ぬふりをしました。すごく、努力して、見て見ぬふりをしました。
とても素敵な文章だと私は思いました。
実は舞台になっていて、舞台を観るのが先でその後この絵本を読みました。
舞台も面白かったのですが、この絵本は絵本で全く違う面白さを感じました。とってもヘンテコでシュールさ漂う作品です。
でも考えさせられます。
美しいはずの気づかいも人によっては方向性が違って噛み合わないこともあります。それが悪く働いてしまうこともある。
でもそれに気づくことでもっともっと気づかいが美しいものになっていくということをあとがきで書かれていて、なるほど〜と思いました。
実は子どもに読み聞かせするような絵本ではないように思います。
でも優しい絵本です。
気づかいって難しいけれど、他人の気づかいには気づきたいし、私自身、この絵本でいう美しい気づかいができるようになりたいです。
年を重ねてもそういうことを忘れずにいたいです。あ、こういう想いにさせてくれるのが大人のための絵本というやつなのかも。
終わりに
疲れて帰ってきた時とかにあるのですがその日のことを思い浮かべて、職場の人とのコミュニケーションがうまくいかなかった場面が引っかかる時があります。
気を張って接していたはずなのに零れて傷つけてしまった言葉に気づく時があります。
細かく細かく自分の行動を分析するよりも、気にせずある程度ざっくり割り切ってしまう毎日の方が楽だと分かっているのについつい自分のダメ出しが始まったり本当うんざりしてしまいます。
そんな日はさっさと寝るに限るのですが、この絵本みたいに相手を思いやる行動を忘れずに生きていきたいと思います。
楽に、自分も相手も楽しくを目指していこう!