小説

瀬尾まいこ『強運の持ち主』感想【占い師という職業から繋がっていく人間関係の物語】

瀬尾まいこワールドが詰まった一冊!

令和になりました!

令和になったからといって生活が大きく変わるとかそういうわけではありませんが、それでも一つの時代の節目としてこれから迎える令和という時代が明るく温かい時代になればと思います。

そんなこれからを思う浮かべるような今のタイミングにぴったりな小説。

それが瀬尾まいこ『強運の持ち主』です。

主人公は占い師。でも特別な力があるとかではなくて占い師という職業から繋がる人間関係を描いたじんわり優しく温かい物語!

あらすじ

占い師に転身した吉田さんの話です。

元OLの吉田さんは営業の仕事で鍛えた話術を活かし、「ルイーズ吉田」という名前の占い師に転身します。

ショッピングセンターの片隅で悩みを抱える人の背中を押すような毎日です。

父と母のどちらを選ぶべき?という小学生男子や、占いが何度外れても訪れる女子高生、物事のおしまいが見えるという青年……。

ルイーズ吉田として関わる人との4つの物語が綴られています。じんわり優しく温かい著者の世界が詰まった短編集です。

 

強運の持ち主の感想

瀬尾まいこさんの世界観は温かくて少し前向きになれます。

これからの暖かくなっていく季節にぴったりです。

例えば寒い冬から一転してふと暖かい春の日を感じた時、卒業式の日のこととか新しく始まる学校とか職場に向かう日のことを思い出したりすることありませんか? そわそわして少し不安だけど期待があってみたいな感じ。

少し前に20℃を超える暖かい日があってジュディマリ聴きながらチャリ漕いでた高校時代を思い出しました笑

今職場に自転車で通っているのですが、学生時代みたいに軽やかな気持ちでペダルを漕ぎたいと思い出しました。

この本は占いを通していろんな人と繋がる物語です。

占いは基本的に未来を見るので、お客様にとってはそわそわした期待と不安を抱えた人ばかりです。

ルイーズ吉田は姓名判断や生年月日から分かる星を元にして占いますが、相手の話を聞きながら直感も重視して話を組み立てます。

占いと聞くと色々なイメージを持つ方いると思いますが、この物語は関わる人が少し前に踏み出せるような言葉を探す吉田さんと人の心に響く物語です。

私自身、うまくいかないことがあってはくよくよ考えてしまう時もあるし、あーもう今日は寝ようひたすら寝ようと現実逃避気味に早寝することもあります。

それはそれでいいんですけど、明日とかこれからをきっといいことがあるって思えることは大切なことかも。

そんな気持ちにさせてくれるこれからの季節にぴったりの1冊でした。

強運の持ち主を読んだ後、感じる〇〇

平成から令和に変わっていく中で「今後を占う~」とか「温かい未来に向かって~」とかこれからの将来を願うようなコメントをよく耳にしてこの本のことを思い出しました。

節目で自分自身リセットしてさらに前向きにエネルギッシュに動ければいいと思います。

瀬尾まいこさんの小説は読む人に力を与えてくれるような小説ばかりなので、読書と瀬尾まいこさんの偉大さに感謝しつつ、がんばります。

いちいちくらくら日記、令和もどうぞよろしくお願いいたします。

ABOUT ME
いちくらとけい
社会人の本好きです。現在、知的障害者の支援施設で働いています。 小説を読むことも書くことも大好きです。読書をもっと楽しむための雑記ブログを作りたいという気持ちで立ち上げました。

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