第156回直木賞受賞、第14回本屋大賞受賞と脅威のW受賞の偉業を成し遂げた作品です!
そして映画化も決定し、10月4日公開です!
私は恩田陸作品とは『夜のピクニック』で出会い、『六番目の小夜子』や『ネバーランド』など本屋で作品を見つけては読んでいた記憶があります。
そんな長く活躍される恩田陸さんの新たな代表作と言われているのがこの『蜜蜂と遠雷』。
あまり天才という言葉を使うのは好きではありませんが、奇跡的な存在とでも言えるくらいの紛れもない才能と、それを磨き上げてきた天才的なピアニストの人生が重なる瞬間が描かれた物語です。
Contents
簡単なあらすじ・説明
近年、その覇者が音楽会の寵児となる芳ケ江国際ピアノコンクール。
自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳、かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以降、弾けなくなってしまった栄伝亜夜20歳、楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳、完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。
天才たちによる競争が始まります。それは自らとの闘いでもあります。
天才たちが交わり何が起きるのか。
蜜蜂と遠雷の感想
いざ読んでみるとピアノコンクールが舞台で賞レースが筋だからか結果も含めて次が気になってしまってぐいぐい読んでました。
それに全体的に温かい雰囲気で考え込んだり暗くなったりするようなことがないから文章の途中で立ち止まることもなかった。
音楽の物語って、『のだめカンタービレ』とか『BECK』とか『BLUE GIANT』とかいずれも漫画だけど演奏シーンを読んで鳥肌が立って感極まって泣きそうになってしまった経験があります。
拙い読書経験だけど小説ではどうなんだろうって、そこまではいけるのかって思っていました。
でも全然そんなことなくて簡単に想像を飛び越えて演奏シーン、一人で興奮して泣きそうになりました笑
小説×音楽は最高の組み合わせなのだと思いました。
この小説で音楽は自分の内面を映し出す鏡のような役割にもなっているように思えます。
綴られていく内面が奏でる音楽描写に乗っかって、結果沸き起こる感想に震えました。
特に三次予選辺りは後半に差し掛かってこちらも物語にどっぷり浸かってるから少しの情緒でもう大きく胸の中が揺れ動きました。
最高です。
長めだけど読みやすいからあんまり活字読まない人でもおススメできる本だと思いました。
終わりに
小説世界で音楽は当然頭の中の想像でした。
でも映画では実際に音が鳴るのですもんね。また違った楽しみができるのではないかと今の私の楽しみの一つです。
のだめも漫画を楽しんでドラマも楽しめた経験がありますし。
あとは『蜜蜂と遠雷』のスピンオフ短編小説集『祝祭と予感』も発売するとのことです。また彼らに会えるのか。これも楽しみです。