先日職場の同僚とこんな話がありました。
「一蔵さんのストレス発散方法ってなんですか?」
「どうだろう、前まではカラオケ行ったり、お酒飲んだりして発散することが多かったけど、最近は全く別のことをして気持ち切り替えることが多いよ。そうするとなんとなくストレス忘れちゃうっていうか。発散っていうかわからないけど」
「へえ、じゃあお休みとか何してるんですか?」
「最近、休みに体調崩してばっかだったけど、昨日は美術展行ってきたよ」
こういう会話をすると微妙な空気が微かに流れるんです。
職場の同僚の趣味というと「車」とか「バイク」、「釣り」とか「お酒」とかの人が多くて「読書」が趣味だと言うと若干距離が離れるような感覚になることが今までにもありました。
だからあんまり読書とか美術展とかそういうことは話さずにスポーツの話題とかお酒の話題とかで盛り上がることが多い(私自身もスポーツもお酒も好きだから)。
だけど、会話の流れでこの前、上野の森美術館で開かれているゴッホ展に行ってきたことに触れて会話が終わった後に「この面白さを伝える方法はないかな」なんて考えました。
私は美術に詳しいわけではないし、絵が得意なわけでも、絵画の技術が分かるわけでもありません。
だから美術展に行って「このタッチは素晴らしい」とか「この時期のゴッホは最高だ」とかいう楽しみ方はできません。
それでも休みの日に行く美術展をものすごく楽しみにしている自分がいます。
それは美術展には画家の人生に触れた上で絵画を楽しむことができるからです。
フィンセント・ファン・ゴッホは27歳で画家になる道を歩み始め、37歳でピストル自殺をしています。その人生はけしてきらびやかなものではなくて、左耳を切り落としてしまう事件もあるし、絵もまるで売れません。そして、弟・テオの存在。フィンセント・ファン・ゴッホを支え、フィンセントが亡くなってわずか半年でテオも亡くなっています。
太くて濃い線を引くようなゴッホの生き様に興味を覚え、その中で描かれた絵の変遷に興味を惹かれ、楽しむことができました。
子どもの頃、絵と写真を比べ、「写真でいいじゃん」なんて思った時もありました。
ううん、まるでそんなことはない、と今では思います。絵はその画家独自の表現なんだ、と思います。
偉そうに書いていますが、ずぶの素人です。ただ私の一つの楽しみ方として書いています。
それで今回紹介したい本が絵本『ぼくはフィンセント・ファン・ゴッホ』です。
絵本で読む画家のおはなしですが、読んでみるとすごく誠実にゴッホの人生を追っています。
フィンセント・ファン・ゴッホと彼の周りにいる人々の物語です。
終わりには年譜や主要作品のギャラリーページもあって、絵本ということもあってさくっと、そしてよく知ることもできる絵本です。
人生に興味を持って絵を追ってみると自然と美術展に足を運びたくなる理由になるのではないかなと思い紹介しました。
ぼくはフィンセント・ファン・ゴッホ 絵本でよむ画家のおはなし
他にもおすすめのフィンセント・ファン・ゴッホを題材とした小説もあるのでもし興味わけばこちらも読んでみてくださいね!
この絵本のシリーズにはモネやフェルメールの絵本もあるようで読んでみたいなぁと狙っています。