小説

辻村深月『かがみの孤城』【2018年本屋大賞受賞作品!一気読み必至の感動の物語!】

2018年本屋大賞受賞作品!

2018年本屋大賞を断トツの得点で受賞した作品です。

装丁の美しさもさることながら本の中身の世界観も美しい。

辻村美月さんは『鍵のない夢を見る』で第147回直木賞を受賞しており、直木賞作家でもあります。

他にも『ツナグ』『朝が来る』などその時々で話題になった著作が多数あり、著作を見てみれば読んだことがなくても聞いたことがあるというタイトルがたくさんあるのではないでしょうか。

そして2018年本屋大賞受賞作『かがみの孤城』

子どもから大人まで幅広い世代の人が楽しめる心に残る本です。

あらすじ

学校に行けず閉じこもっていた中学1年生のこころはある日突然鏡が光り出し、鏡をくぐり抜けた先の世界へ入り込みます。

そこは城の中で、同じように光る鏡をくぐりぬけてきた、しかも似たような境遇の中学生が7人集まるという始まりです。

なぜこの七人がこの場所に集められたのでしょうか。

全ての謎が明らかになった時、驚きと大きな感動に包まれます。

かがみの孤城の感想(ネタバレなし)

世界観がすごい!

鏡の中の世界の描かれ方も頭の中でその光景が広がります。

その世界での七人の言葉はどれも何となくではなくて想いが表れています。

ただ繋げたみたいな伏線じゃなくて登場人物みんなが物語の中で生きています。

厚めの本だけど読んでみるとあっという間で、しかもこの小説の世界はこの本7冊分くらいの物語が詰まっているように感じました。

読み終わってそれぞれの登場人物のことを思い浮かべていると実際にお腹が鳴るまでずっと物語を反芻していました笑

中学社会の話は痛くて辛い部分もあるけれど「すごい!」と何回も頭の中で繰り返せて温かい気持ちにもなれる、読後感の良い1冊です。

終わりに

2019年の本屋大賞ノミネート作品をまとめている内に2018年の受賞作についても記事を書こうと思い書きました。

たくさんの書評がネット上に出ている作品なのでネタバレなしで感想中心に書きました。

読書習慣があるなしに関わらず、おすすめの本ですね。

私は最後に話が繋がった時にそれぞれの優しさの反映が嬉しくてとても好きです。

もしそれぞれの小説に出てくる人物がそれぞれの人生を主張し始めたら物語は収集がつかなくなると思うんです。脇役と言うのかそういう人まで「私の人生はこうでこういう問題があって」なんて。

でも本当は脇役の人の人生だって平坦ではないはず。

だけどこの作品は主要人物が7人もいて、7人がそれぞれ平坦な現実を生きているわけではないのに一つの物語の中でしっかり生きているから圧倒的にすごい。

面白い。再読だってしたくなってしまう。

大好きな一冊です。

ABOUT ME
いちくらとけい
社会人の本好きです。現在、知的障害者の支援施設で働いています。 小説を読むことも書くことも大好きです。読書をもっと楽しむための雑記ブログを作りたいという気持ちで立ち上げました。

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